厚生労働省「jobtag」で紹介している建築施工管理技術者の平均年収を参考に解説します。建築施工管理技術者は、住宅や学校、オフィスビル、工場などの建築現場で建築工事の監督・指導をおこなう人です。
令和2年国勢調査の結果では就業者数は全国で242,580人です。令和4年賃金構造基本統計調査の結果によると、19歳以下では275.92万円、一番年収が高いのが55~59歳の777.48万円、全国の平均年収は620.4万円です。
参照元:[pdf]厚生労働省「jobtag」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Search/Result?keyword=建築施工管理技術者)
20代~60代までの年齢別平均年収についてご紹介します。
20代前半(20~24歳)360.96万円、20代後半(25~29歳)479.47万円です。20代全体の平均年収は約420万円となります。
19歳以下では275.92万円なので、20代前半では約85万円、20代前半と20代後半を比べてみると、約100万円年収が増えていることがわかります。まだ経験やスキルは浅く他の年代よりも低い年収ですが、現場での経験を積むことで少しずつ年収も上がっていきます。
30代前半(30~34歳)599.99万円、30代後半(35~39歳)676.1万円、30代全体の平均年収は約638万円です。
30代前半と30代後半では約76万円年収が上がり、20代全体に比べると約200万円と大きく伸びています。30代は体力もあり、現場での経験も増え自信もついてくるころです。資格取得や昇進で年収が増える人もいます。
40代前半(40~44歳)710.98万円、40代後半(45~49歳)774.48万円です。40代全体の平均年収は約743万円となり、40代前半・後半、全体を見ても金額にあまり差がありません。30代全体と比較すると、約100万円アップしています。
40代になると管理職に就く人も多くなり、年収も700万円を超えるようになります。40代は体力の衰えに気づく年代です。建設業では体力のピークが賃金のピークとなるのかもしれません。
50代前半(50~54歳)774.84万円、50代後半(55~59歳)777.48万円です。50代全体の平均年収は約776万円となります。
平均年収が一番高いのが50代です。現場の責任者や管理職に就いている人もいるため、年収もそれに合わせて高くなります。同時に人によっては体力の衰えを感じる年代でもあり、40代よりも年収が下がる場合もあります。50代が年収のピークと言えるでしょう。
60代前半(60~64歳)600.43万円、60代後半(65~69歳)527.7万円です。60代全体の平均年収は約564万円となり、60代になると40、50代よりも約100万円近く減少しています。
他の年代と比較してみると、60代前半・60代後半は20代後半から30代前半の年収まで下がっていることがわかります。60代で、まだまだ現役で頑張っている人もたくさんいますが、体力的にきついことは若い年代に任せることが多くなるでしょう。
参照元:[pdf]厚生労働省「jobtag」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Search/Result?keyword=建築施工管理技術者)
国土交通省「建設業男性全労働者等の年間賃金総支給額の推移」2012~2019年の建設業男性生産労働者の年収推移を見ると、2012年3915.7千円で2019年では4623.9千円となり7年間で18.1%上昇しています。
2012.13年はあまり変わらず、2014年で400万円を超え2015年にはグラフも一気に上昇、450万円に届く勢いです。2016年に急に下降していますが、2017年にはふたたび上昇し、2018年には460万円を超えました。2019年もそのままの状態をキープしています。
建設業男性労働者と比較するとかなり差がありますが製造業男性生産労働者に近づきつつあります。
参照元:[pdf]国土交通省「最近の建設業を巡る状況について(参考資料1)」(https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001493958.pdf)
建設現場では、安全面や品質に関する正しい知識や技術が必要とされています。建設業にはさまざまな資格があり、例えば建築士なら1級建築士・2級建築士・木造建築士の3種類です。資格取得を目指す社員のための制度を設けている会社では資格手当が支給される場合もあり、資格を取得すれば年収アップに繋がります。会社にとってもメリットがあるので、昇給や昇進も期待できるでしょう。
建設業界で信頼されるためにはキャリアを積むことです。キャリアを磨いておくと重要な仕事に携わる機会も増えるのでそれに伴って年収も上がります。同じ職種や同じ資格を持っていても収入に差が出るように経験豊富な人材は重宝されます。自身の能力を上げるためキャリアを積むことは年収を上げるのに良い方法です。
一定のスキルや経験がある人なら独立という選択肢もあります。独立すれば顧客と直接取引をおこなうのでマージンが発生せず報酬単価が高くなり、年収アップも期待できます。報酬などの条件を取引先と直接交渉できるのもメリットです。高単価の仕事は高収入に繋がります。しかし、独立するためには取引先とのコネクションが多いこと、スキルを伴っていることが重要です。