第二新卒で建設業界への就職を検討する際、ホワイトな優良企業はどのように見極めればよいのでしょうか。ひとつの方法として、会社や従業員に関する様々な「数字」をチェックするということがあげられます。具体的な項目とポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
建設業界に限ったことではありませんが、業界シェアとはその企業が業界全体で、どの立ち位置にいるかということを表すものです。業界シェアが高いということは、業績の安定度も高いと推測でき、ブラック度も低いという傾向になります。
業界シェアと同じように、売上高も企業の業績を測る重要な数値です。順調に売り上げが伸びている企業であれば、損実を埋めるべく無理な仕事を社員に強要するといった事態も少なくなる可能性が高く、ひいてはブラック企業である可能性も低くなります。
全国規模で事業を請け負っている建設会社であれば、全国各地に営業所やサービスセンターなどの数が多くなります。そうした拠点の数というのも、企業の業績や事業規模、働きやすさを測るモノサシといえます。
その企業の従業員数も、企業のホワイト度を判断する重要な数字といえます。とりわけ年々従業員数が増加傾向にある会社であれば、事業面でも成長を遂げているということであり、働きやすく離職率も低いと判断できる可能性が高いです。
会社として事業をスタートさせ、長く続いているということは、まっとうな体制で利益を上げ、社員に対する給与や働きやすさを一定の水準で保ってきた企業であるといえるでしょう。ブラック企業であれば、何十年も事業を続けるということは出来ないからです。
建設業界に限らず、年収は企業や業種によって異なるものですが、極端に低い年収を提示してくる企業というのはブラック企業であったり、正当な評価がなされない企業である可能性が高くなります。
業界全体の平均年収や、年齢別の平均年収などをリサーチし、提示された年収との差がどれくらいなのか、妥当と判断できる根拠や理由があるのかといったことを判断すべきです。
ボーナスの有無や支給額、月給の何ヶ月分なのかといった点も見逃せないポイントです。ただ、ボーナスは企業の業績によって金額が左右され、会社の業績が思わしくない時にはカットされるということも起こり得ます。
その企業の直近のボーナス支給の実績や、支給された金額をチェックすれば、会社としての業績を判断する材料となります。加えて会社の業績と照らし合わせて判断してみてもいでしょう。
ホワイト企業か否かの判断材料として福利厚生、なかでも年間休日と有休消化率は重要な数字です。厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によりますと、一般的な企業の年間休日は115. 5日という日数が示されています。この数字以上、あるいは同等の休日数が確保されているかどうかが、大きな判断基準です。
その上でもうひとつチェックしたいのが、有給休暇の取得率です。ブラックな職場では、有給休暇が設定されていたとしても、実際に取得して消化することができないというケースは往々にしてあります。実際に有給休暇を消化できる環境なのかどうかは、取得率を調べることで、見当をつけることができます。
ホワイト企業かブラック企業を判断する数字として定着率、とりわけに新卒採用者の定着率は大きな意味を持ちます。社会人経験のない人材が短期間で辞めてしまうというのは、会社としての研修や人材育成のやり方に、何らかの問題があると推察できます。
新卒採用者の定着率だけではなく、企業全体としての離職率というのもチェックすべきポイントです。とりわけ建設業界は、他の業種以上に体力や気力が求められる傾向にありますので、体力的にきつい作業が多いのか、休みが取りにくいのか、人間関係がスムーズにいかない風潮なのか等、離職率が高いかどうかはブラック企業かどうかをチェックするのに大きな要素です。
逆に体力や気力が求められる建設業界において、勤続年数の長い社員が多く在籍しているというのは、働きやすさ、居心地のよさというものに一定の配慮がなされていると判断することができます。また勤続年数の多い社員が多いということは、それだけ企業規模が拡大しているということであり、業績も好調であると判断できます。
建設業界という所は、早朝出勤や夜間勤務といったことが発生しやすく、工期が迫っている場合は残業も多くなりがちです。近年では、そうした悪しき慣習も改善されつつありますが、今なお旧態依然のままという会社もあることでしょう。労働基準法で定められている月45時間の限度を超えた残業を課せられたり、時間外勤務が多いという職場は要注意です。
優良企業かどうか、働きやすくワークバランスが取れている会社かどうかというのは、企業や従業員に関する数字をチェックすることで、有益な判断材料を得ることができます。とかく労働条件がハードだとされる建設業界では、重要な作業といえますので、ぜひ実践してください。
また当サイトでは第二新卒の方向けに、未経験からでもチャレンジできる施工管理技士のコラムをまとめています。こちらもぜひ、参考にしてください。