さまざまな業界・規模の企業における賃金などの調査を厚生労働省が行った結果である「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」に記載のある勤続年数について紹介をします。この調査は統計法に基づく基幹統計「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査ですが、付随して雇用形態や就業形態、職種、性別、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別なども明らかにしています。
この調査結果によると、男女合計・全年齢における平均年齢は43.7歳で勤続年数は12.3年となっており、そのうち「建設業」に業種を絞った時の平均年齢は45.0歳で勤続年数は12.8年となっています。いずれも平均より上の数値が出ています。
参照元:厚生労働省「令和4年 賃金構造基本統計調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/13.pdf)
上記で取り上げた統計では全16業種の年齢別賃金や平均年齢、勤続年数などのデータを取り扱っていますが、いずれの業界も平均年齢は40歳代となっています。また、勤続年数上位の業種に目を向けると「電気・ガス・熱供給・水道業」が1位となっており、18.6年という数字が出ています。
次に長い業界は「複合サービス事業」の16.3年となっており、その後「製造業」14.8年、「鉱業,採石業,砂利採取業」14.2年と続きます。このページで解説する建設業はこの16業種中7番目の長さと、ほぼ真ん中あたりの位置づけとなっています。
参照元:厚生労働省「令和4年 賃金構造基本統計調査の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/13.pdf)
次に体力的にもキツいとされている建設業界において、なぜ長く働く人が多いのでしょうか。アーキ・ジャパンがおこなった「建設業界の実態に関する意識調査」2019年8月のアンケート調査を内容を見てみると、働きはじめと調査時点の年収は全体平均で約3.1倍と大きく昇給していることが見受けられました。また、6割以上の方が建設業界に安心を感じているとの結果が。「働くうえでの安心はどのようなことか?」という問いには約半数が給与であると回答しており、おおよそ8割の方が業績・定期昇給・スキルアップ・歩合による昇給を望めると感じています。
建設業界全体としてはオリンピックやパラリンピック・大阪万博などのようなイベントも含め、国家レベルでの需要が発生するシーンも多く、賃金水準も比較的高水準で安定していることから将来性が高いと評価され勤続年数の長期化に繋がっていると考えられます。
参照元:アーキ・ジャパン「建設業界の実態に関する意識調査」(https://akijapan.co.jp/press/638.html)
調査期間:2019年8月9日~2019年8月19日
調査対象:20代~60代建設業従事者(各世代200人以上)
調査人数:1,004人
建設業界の勤続年数にスポットをあてて解説しましたが人気な業界には人気の理由があります。まずは建設業界をよく知ったうえで求職活動をはじめましょう。当サイトでは第二新卒の方向けに建設業界の将来性や建設業界を取り巻く環境について解説しています。ぜひ参考にしてください。