建設土木にも多様な業種があるため、建設業界で働くにあたり建設業界内の関係性を知ることが大切です。やりがいを持って働ける職場選びの参考にしてください。
総合建設業を意味するゼネラル・コンストラクターが通称ゼネコンと呼ばれています。土木や建築などの工事一式を請け負っており、マンションの基礎工事、設備工事、内装工事などの専門工事を専門業者であるサブコンに依頼していきます。
また、発注者との協議、工事の申請などの管理全般を行うのもゼネコンの仕事です。ゼネコンの中でも、大林組や鹿島建設など会社規模が特に大きな会社はスーパーゼネコンと呼ばれています。
サブ・コンストラクターの略称であり、専門工事に特化しています。ゼネコンからの仕事を請け負っており、1つの工事で複数のサブコンが同時進行で工事を進めます。サブコンの工事規模はそこまで大きいものではなく、複数の現場を掛け持ちすることもあります。
海洋土木に特化したゼネコンであるマリコンは、マリンコントラクターの略称です。港湾や護岸工事、海底トンネル工事などを行っており、河川や港湾で水底の土砂を彫り上げる浚渫船や、重量物のつり揚げをを行う起重機船など専門の機械・知識・技術が求められます。
大手3社(五洋建設株式会社、東亜建設工業株式会社、東洋建設株式会社)が中心となり工事を請け負っている特徴的な業界です。
インフラ系は生活・産業を守るための公共基盤が主な事業ですが、建築土木においては鉄道、高速道路などの交通系インフラが主となります。
鉄道は路線だけでなく、トンネルの高架、維持管理・改修工事なども含まれます。建築では駅舎に関係する業務を行っています。高速道路は道路そのものだけでなくトンネルの維持管理、サービスエリアの施設管理や周囲の広場の整備も含まれます。
公共工事の建設工事を主に行っているコンサルタントとして、事業全体のアドバイザー業務を行っています。行政やゼネコンと連携し、事業全体を統括。第三者づけのポジションとなりますが、行政の要望をもとに設計や計画を行っているのが現状です。
建築土木系の国家公務員は、国土交通省に入省します。霞が関の本省で勤務するか、全国にある国土交通省所管部局で勤務するかは配属によって変わってきます。
国が管理する建築、土木構造物の新設や維持管理、国土保全に関する業務を行い、業界に対する技術的サポートも国家公務員としての仕事です。海外勤務をする機会もあるでしょう。
都道府県庁や市区町村の役所に勤務しているのが、地方公務員です。学校や公園など自治体が管理する公共施設の新設、維持管理が主な業務であり、防災や安全を考慮した計画をすることで安全で住みやすい街づくりも行っています。人々の生活を守る仕事ということもできるでしょう。
建築技術職は建設業務、街づくり業務、建築許認可業務を行い、土木技術職は道路事業、河川事業、公園事業、用地取得事業を行っています。
建築や外構の設計を行っている会社であり、専門とする領域によって種類が異なります。建築では組織設計事務所、ゼネコンの設計部門、個人建築家を中心に、大規模建築や個人住宅の設計を行っています。土木では、ランドスケープや土木構造物のデザインを行う事務所もあります。
自社の住宅を設計、施工、販売するのがハウスメーカーです。住宅の建築と販売に特化しています。ハウスメーカー各社で規格化されている住宅を建設することが一般的であり、工期を短縮、コスト削減して安定した品質の住宅を提供できる特徴があります。
各社で住宅性能を高める研究を行っており、住み良い住宅を追求していますし、住宅販売だけでなく点検、リフォームを手掛けているところもあります。全国で事業展開を行っている会社が多いのもハウスメーカーの特徴です。
工務店では、顧客の要望に合わせたオーダーメイドの家づくりを行っています。規格化されている住宅を販売するハウスメーカーとはその点が大きな違いになるでしょう。住宅に特化した建築を行っているため、ゼネコンが扱う類の大きな構造物の建設はほとんど行いません。
土地や街の開発、大規模なオフィスビルや商業施設などの不動産を開発するのがデベロッパーです。建設だけでなく不動産業も行っており、土地の仕入れから行い、建物の用途やデザインコンセプトの企画、ゼネコンや設計事務所への発注、開発、販売(貸出)、竣工後の維持管理なども幅広い業務を行っているのも特徴です。
デベロッパー自身が事業主となるため、建物づくりを一から始動できるのが魅力です。土地、街の開発事業としては駅周辺の再開発、リゾート地の開発、高層マンションの開発なども含まれます。
建築土木と一口に言っても、その就職先はゼネコンからハウスメーカー、公務員やコンサルタントと多岐にわたります。それぞれの特徴を知り、業界の関係性を知ることは就職先選びの重要なポイントになります。また、具体的な仕事内容がわかることで興味が湧いたり、志望動機につながるでしょう。
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